尿道結石は人間でも一般的な病気とされており、時に激痛を伴うことでも知られています。しかし、人間の場合であれば、尿道結石によって死亡するという事例は非常に稀であり、治療によって回復するのが普通です。
猫の尿路結石は命の危険も・・・
しかし、猫の場合は違います。尿道結石が重病化し、尿道に詰まってしまうことで、尿が体外にまったく排出されない「尿閉塞」の状態になってしまいます。そして、体内に毒素が溜まっていき、最後には命を落としてしまうという恐ろしい病気でもあるのです。
猫は元々、あまり水を飲まない生き物です。水分をあまり取らないために、尿の濃度が濃くなりがちです。そして、濃度の濃い尿の中に含まれている「アンモニア」や「マグネシウム」といった成分が固まりとなり、結晶化したものが「結石」です。
この結石は、猫の腎臓や尿管、膀胱、尿道を詰まらせ、膀胱や尿道を傷つけたり詰まらせたりします。結石の大きさは様々で、砂粒程度の小さなものから、直径が数センチの固まりになるものなど、様々な大きさがあります。
当然、結石のサイズが大きくなればなるほど、猫の予後も悪化することになりますので、まだ結晶が小さく、尿が少量ずつでも外に出ている状態のうちに、速やかに医師の診断を受ける事がなによりも大切な病気なのです。
ちなみに、猫の尿道結石は、猫下部尿路疾患(FLUTD)の代表的な病気の一つです。特に、寒さによって水分の摂取量が減る冬期に発生しやすく、冬に発生する典型的な病気としても知られています。
我が家の招き猫 ポンタ(♂ 推定8歳)のご尊顔。段ボールが大好き。
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