猫の尿路結石(尿道結石)の治療方法

治療と予防

猫に尿が出ない等の症状が現れた場合、まず最初に疑う病気が尿路結石(尿道結石)であり、一刻も早くにお医者さんに診てもらう必要があります。

治療方法としては、一般的には結石を溶かす薬を飲ませたり、結石が尿道に詰まっている場合であれば尿道へカテーテルと呼ばれる細い管を通し、尿やストルバイト・シュウ酸カルシウムを排出します。

我が家の猫もそうだったのですが、尿道結石によって尿閉塞になると、膀胱炎を併発する場合も多くなります。その場合は、尿を排出した後に膀胱を洗浄したり、抗生剤を注射したりして、膀胱炎の治療と再発の予防も行います。

しかし、膀胱や腎臓に見られる結石が大きくなりすぎた場合は、手術によって摘出することとなり、猫にとっては体に大きな負担がかかることになってしまいます。

どの様な治療を行うのか?

我が家の猫の場合は、1度目も2度目も同じような処置を施してくれましたが、以下では2度目の治療の様子についてお話したいと思います。

まず、カテーテルを挿入して注射器で尿を排出します。2度、3度と尿を排出するのですが、銀色のトレイの中にたっぷりと、非常に濃度の高い尿が排出されていました。後で試験管に入れたものを見せてもらったのですが、結晶と思われる砂のようなものが、キラキラと光って見えていました。

うちの猫の場合は、尿のphがアルカリ性に傾いたために、ストラバイト結晶が大量に見られたようです。

尿を排出して洗浄も行った後は、背中付近から点滴と抗生物質の注射を行いました。点滴をしたのは、猫の血液検査で脱水症状も見られたためです。確かに、病院へ連れて行く前の日から、水をまったく飲まなくなっていました。水が飲めない程苦しかったんだと思います。

抗生剤については、猫が膀胱炎を併発していたために、その治療目的と再発防止のために打ったそうです。効果が約2週間持続するそうで、その間に膀胱炎も治るとのことでした。

ちなみに、猫が膀胱炎となっていると、トイレの尿からなにやら酸っぱいような、嫌な匂いがします。表現が難しいのですが、濡れた雑巾を放置したような臭いです。これも、膀胱炎の際に見られる症状らしく、尿に雑菌が混ざってしまうことからそのような臭いを発するそうです。

また、1度目と2度目の治療後に、毎日の食事として療法食を勧められました。今思えば、1度目の治療の後、途中で市販のカリカリに戻してしまったのが、2度目の再発につながってしまったのだと後悔しています。

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治療費はどの程度かかる?

私が診てもらった獣医さんでは、初回の治療費は合計で1万円程でした。そこに療法食を購入した分の4500円が加わり、合計で1.5万程の治療費となります。

また、症状が完全に治まるまで、その後3回程通院しています。2度目の通院は二日後で、再びカテーテルを通して排尿作業を行い、点滴もしてもらいました。これで約3000円程です。

3度目の通院はそれからまた二日後。再度カテーテルを通して排尿を行いますが、この時に採取した尿からは、ストラバイト結晶は見られなくなっていました。点滴も打ってもらい、この時も約3000円程でした。

他にも、結石を溶かす薬、精神安定剤(神経質な猫の場合は処方されるようです)や膀胱の動きを活発にする薬も処方してもらい、最終的には2.5万程度の治療費となりました。

私が通院していた獣医さんの価格設定は良心的な方だと思うのですが、おそらく他の獣医さんでも似たような治療費になると思います。しかし、ここに入院や手術が加われば、家計にかかる負担は大きなものとなってしまいます。

入院は必要なのか?

うちの猫の場合は、幸いにも発見が早かったために入院する程、重たい状態ではありませんでした。念のため入院するという方法も提案されましたが、尿道結石になってしまったその猫は非常に臆病で神経質な面があり、環境の変化によるストレスが懸念されたことから、自宅療養という形を選択。その後、無事全回復することができました。

しかし、尿道結石と診断され、すでに尿毒症の症状が現れている場合は、入院が必要になるとのこと。入院中の治療法としては、尿道にカテーテルを通し、点滴を行うことで体の中の毒素を常に排出させる方法をとるそうです。そうしなければ、尿毒症によって1~2日のうちに息を引き取ってしまうそうです。それ程、尿毒症という状態は恐ろしいのです。

しかし、症状の重さから入院が必要であるのに、入院させないで持ち帰るという人も多いそうです。各家庭の家計の状況によっては、入院費にかかる費用が払えないという場合もあるでしょう・・・。でも、尿毒症となっている状態の猫は非常に危険な状態になっていることが多く、入院させなければそのまま息を引き取ってしまうという場合も多いそうです。

また、尿閉塞によって運び込まれた猫の中には、すでに手遅れの状態となっている場合も多く、入院しても息を引き取ってしまう猫も多いんだそうです。

猫の症状にもよりますが、血液検査の結果が悪かったり、明らかに危険と思われる場合は、入院が必要になると思います。

しかし、症状が重たい場合は、先ほども書いたように入院しても息を引き取ってしまう症例が多いということで、それだけ、尿路結石は普段からの予防に気をつける必要の高い病気であるともいえそうです。

最近では、人間と同様に自己負担を軽減することができるペット保険も徐々に認知され始めています。ペット保険に加入しておけば、万一の場合でも家計の負担をぐっと減らすことが可能になります。治療や入院をあきらめるのではなく、こういったペット専用の保険に加入して、有事に備えるようにしてください。

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なによりも予防が大切

猫の尿路結石の治療は、「一刻も早く獣医に診て貰う」ということが何よりも重要です。日を置けばそれだけ予後が悪くなると考えてください。「暫く様子を見てみよう・・・」と悠長なことを言っているうちに症状が一気に悪化し、最悪の場合命を落としてしまうことにもつながりかねません。

そして、大切な家族に苦しい思いをさせないためにも、日々の予防が非常に大切です。運動不足や食べ過ぎによる肥満、多頭飼育によるストレス、体質(遺伝)、そして、病気に強い子・弱い子等、尿路結石に罹患してしまう要因はたくさんあります。

それらの要因の中で、飼い主が特に気をつけなければいけないのが「食」の部分です。ここだけは、私たち人間が完全にコントロールできる要因でもあります。

猫の尿路結石は、この「食」が罹患の原因となることが多いと言われています。詳しくは次ページの猫の尿路結石は予防が何よりも大切!で説明していますので、是非こちらも一読ください。

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